小規模宅地の特例 第144回

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

相続税の基礎控除が、平成27年より5,000万円から3,000万円に引き下げられ、相続税の対象者が増えています。

それに伴い、小規模宅地特例の適用者も増えています。日経新聞によると、平成26年の適用件数は2万7,038件、27年の適用件数は6万7,325件と約2.5倍になっています。

小規模宅地とは、被相続人等の「事業」の宅地等又は被相続人等の「居住」の宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分をいいます。小規模宅地については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。

小規模宅地の特例は相続や遺贈で宅地を取得した親族の「事業」と「居住」を税制面から保護しようとするものです。「居住」の宅地が特定居住用宅地等に該当する場合、面積330㎡までは80%評価を下げることができます。

自宅不動産が3,000万円の評価とすると、3,000×(1-0.8)=600万円と下がります。これを適用するだけで、相続税の基礎控除を下回る可能性があります。

特定居住用宅地に該当するためには、土地の要件として被相続人の「居住」に供されていた場合となります。相続する人の要件は、配偶者、亡くなった人と同居していた相続人、それと通称「家なき子」です。

「家なき子」特例は、たまたま相続開始時に別居していたために、同居親族の特例が使えない場合に、これを救済するために準備された制度です。相続開始前3年以内に自己または自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない、すなわち宅地を取得する親族に持ち家がないこが要件となります。

ただし、被相続人が居住の用に供していた家屋は除かれます。これは親の敷地に親族が家を建築し、被相続人が居住していた場合を認める趣旨とされます。

慎重に適用要件を確認しましょう。

生前贈与分岐点 第141回

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

毎朝、事務所職員と岩下忠吾税理士の「相続税の重要ポイント」(平成28年度全国統一研修会)のビデオを見ています。実例・経験を交えてのお話につい引き込まれてしまいす。

その中で、生前贈与分岐点のお話がありました。まず相続税のシミュレーションをして相続税を算出し、相続税を遺産総額(債務控除後の金額)で割って相続税負担率を計算します。

相続税負担率が12%の場合、12%以下の贈与税率になる贈与税額を算出します。ここで贈与税負担率は贈与税÷贈与財産額で計算することとします。岩下先生の計算式では、基礎控除(110万円)を差し引いた後の贈与財産額で計算されていますので、少し異なります。

贈与税率は贈与財産額に応じて高くなっていきます。どこの税率を使用するかは、そのあたりの税率で何通りか計算してみてます。

710万円の贈与の場合、贈与税は90万円になり、贈与税負担率は90÷710=12.6%となります。710万円以下の場合の贈与税率20%と控除額30万円で方程式を解きます。

贈与税分岐点をxとすると、贈与税額yは

(x-1,100,000)×0.2-300,000=y

となり、x÷y=0.12を解くと、X =6,500,000円となります。12%贈与税負担率になるのは650万円の贈与の場合であり、これが贈与分岐点となります。相続税率と同じになります。

650万円以下の贈与でしたら、相続税よりもお得になります。例えば、310万円贈与すれば、20万円の贈与税であり、6%の贈与税負担率となります。

これを毎年繰り返していくと、大きな相続税対策となります。相続税対策で最も効果があるのは、時間を味方につけて、毎年贈与していくことです。

しかし、岩下先生のビデオで仰ってまいしたが、贈与しすぎて、奥さんから離縁されたおじいちゃんもいるそうです。今後の生活のことも考えて贈与しましょう。

 

 

公正証書遺言 第128回 

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平成2711日より、相続税の基礎控除が下がり、相続税の対象者が広がっています。平成27年からの基礎控除額は(3,000万円+600万円×法定相続人の数)となりますので、法定相続人が4人の場合、5,400万円の基礎控除となり、これを超える分については相続税が課税されます。

相続が発生した時にもめないためにも、遺言書の作成をお勧めします。被相続人(お亡くなりになった方)の遺志をハッキリさせるためにも必要です。遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。

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平成29年度税制改正 ④国外財産に対する10年ルール 第125回 

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短期滞在の外国人(外国人駐在者)同士の相続等については、国外財産を課税対象にしないこととなります。財務省ではこのことは、高度外国人材等の受入れ促進につながるとしています。短期滞在の外国人とは、過去15年以内において、国内に住所を有していた期間が10年以下の人です。

その改正よりも、今回の改正で大きいのは、被相続人(または贈与者)が10年以内に国内に住所がなく、相続人(受贈者)に日本国籍があって、10年以内に国内に住所がない場合は、国内財産のみの課税となります。国外財産には課税されません。いままで5年ルールと言われていたものが、平成2941日以後の相続または贈与からは10年となります。

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平成29年度税制改正 ③タワーマンション課税 第124回

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相続対策として、アパート・マンションを建てることがあります。土地の評価額が1億円として、銀行から1億円を借りてアパートを建てます。建物の固定資産税評価額は取得価額の6割とすると、建物の固定資産税評価額は6,000万円となります。さらに借家権割合を3割とすると建物の評価は4,200万円まで下がります。借入金は負の相続財産ですので、借入金1億円との差額5,800万円分、相続財産が減ります。

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新事業承継税制 第120回

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非上場会社等についての相続税・贈与税の納税猶予及び免除の特例を、事業承継税制といいます。平成25年度税制改正により、事業承継税制の適用要件や手続の簡素化の緩和が行われ、改正後を新事業承継税制とよんでいます。

相続税の納税猶予とは、後継者である相続人等が、相続等により、経済産業大臣の認定を受ける非上場会社の株式を先代経営者から取得し、その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき相続税のうち、3分の2の議決権に達するまでの株式にかかる課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されます。

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教育資金の贈与について 第116回

元気ですか! 公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成2541日から平成31331日までの間に、個人が教育資金に充てるため、1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、贈与税の課税価格に算入されません。いわゆる「教育資金の非課税の特例」です。

教育資金に充てるため、①信託会社との間の教育資金管理契約に基づき信託の受益権を取得、②教育資金管理契約に基づき銀行等に預入、または③教育資金管理契約に基づき証券会社で有価証券を購入する必要があります。

受贈者が30歳に達したときに残額がある場合は、その年に贈与税が課税されます。多額に残っていると残高に対して贈与税がかかりますので、気をつけなければなりません。

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「持分なし医療法人」への移行 第93回

img_0847元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成18年の医療法改正により、非営利性の徹底と地域医療の安定性の確保のためということで、持分あり医療法人の新規設立は認められていません。それ以前に設立の持分あり医療法人は「経過措置医療法人」とされています。

持分あり医療法人については、定款の規定に基づいて、持分の払戻を請求されるリスクを回避するために、「持分なし医療法人」への移行を厚生労働省は推奨しています。

「持分なし医療法人」への移行について、計画的な取組を行う医療法人を、国が認定し、税制優遇等の支援を行う移行促進策を講じられています。移行期間の認定制度の実施期間は、平成26101日~平成29930日までの3年間です。あと1年となっています。

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暦年贈与 第84回

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贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から1231日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引き、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。

相続税対策はいろいろとありますが、相続税対策として効果的なのは、毎年々々少しづつ贈与していく暦年贈与です。

平成27年より、相続税の基礎控除が36百万円と少なくなり、法定相続人一人当たりの控除額も6百万円に減額になっており、相続税の対象が広がっています。

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「小規模宅地特例が拡充されます」 第39回

家族元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

平成25年度税制改正により、平成27年から相続税の基礎控除が縮小されます。

従来の「5000万円+1000万円×法定相続人数」から、「3000万円+600万円×法定相続人数」に縮小されます。これに伴い、相続税が一気に膨らんでしまいます。

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