第376回 映画『至福のレストラン 三つ星トロワグロ』  

映画

フレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリーです。1930年生まれの今年94才!です。もともと弁護士ですが、1967年に精神疾患者の犯罪者たちの矯正院のドキュメンタリ―『チチカット・フォーリーズ』を監督して、44本のドキュメンタリー映画を製作しています。一貫してナレーション・インタビュー・音楽は一切なしです。監督自身は57年以上にわたる100時間以上続く1本の映画と考えています。私は初めての体験でした。

この映画は、55年間、ミシュラン三つ星に輝くフレンチレストラン〈トロワグロ〉が舞台です。4年前にトロワグロで食事をし、食後、4代目シェフのセザール・トロワグロがテーブルに来てお話しします。その場で突然、この店での映画の撮影を打診したそうです。父のミッシェル・トロワグロと連絡をとり、30分後、快く受けてくれます。映画の中でも、いろんなお客と会話しているシーンが出てきますが、食事前、食事中などにシェフ親子、他のスタッフも、テーブルでお客様と会話しています。それが単なる挨拶ではなく、一緒に食事しているような会話をしています。尋ねられれば家族構成や、お店の方針など何でも詳しく応えています。

240分の長い映画で、途中休憩をはさみます。最初は、音楽もナレーションもなく、4時間も耐えられるかなと思いましたが、料理を日々工夫している姿、スタッフに指導している姿、原材料の仕入先に行って吟味している姿を見て、だんだん引き込まれていきました。オーナーシェフが、実際にお客様と接し、スタッフに指導し、料理もしています。宿泊施設もありますが、予約はネットではなく、娘さんが電話応対で受けています。奥さんは、内装は全て自分の考えで設計しています。

日本のことが映画のなかで度々出てきます。日本の職人気質に通じるものがあると思っていたら、パンフレットをみるとミッシェルは20代のときに、日本で開業していたことがあったそうです。

こんなお店が近くにあるなら、度々行きたいと思わせます。オーナー自身が店で働き、お客様と接し、日々努力している姿にとても共感しました。日本の御用達の精神が生きています。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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福岡市東区箱崎の公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所
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