作家の村上春樹さんが、「最近面白かった本や映画は何ですか?」という質問に、『ブレイキング・バッド』と答えていましたので、『オザークへようこそ』に引き続き観てみました。麻薬・資金洗浄ということではつながりがありますが、リアリティがあるというか、なかなか厳しいドラマです。
ブレイキング・バッド(Breaking Bad)は「道を踏み外す」「したいことをする(よくないことに使う)」という意味だそうです。シーズン5まであり、2008年から2013年の放送です。
高校の化学教師であるウォルター・ホワイトは、50才にして妊娠中の妻、脳性麻痺の息子、多額の住宅ローンを抱え、洗車場のアルバイトも掛け持ちでやっています。そんな中、突然、ステージ4の肺ガンで余命2~3年と診断されます。自分の医療費、残される家族のために、多額のお金が必要となってきます。
化学では天才的な頭脳を持つホワイトは、かつて一緒に立ち上げた会社は、途中で株を売ってしまったことを後悔しています。その会社はホワイトが開発した製品により、巨大な会社となっています。その頭脳を麻薬製造の方に使っていきます。まさにブレイキング・バッドです。化学の知識を駆使してメタンフェタミン(通称メス)を製造します。モノは高品質のため飛ぶように売れていきます。
最初はちょっとした道の踏み外しが、だんだんとエスカレートして殺人にも手を染め、麻薬界の伝説の大物ハイゼンベルクとなっていきます。家族のためと思ってやったことが、とんでもない結末となっていきます。結果を知っていれば、決してブレイキンダウンしなかったことでしょう。
良くできたドラマです。最初の方の伏線から、最終的には全て回収していきます。ホワイト役ののブライアン・クランストンはエミー賞のベスト男優賞を4年連続で受賞しています。昨年公開の『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』では実在の脚本家ダルトン・トランボを演じていました。が、どうしてもウォルター・ホワイトに見えてしまいます。