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かの有名な「ベルばら」です。アニメ劇場版として公開されました。原作は池田理代子。今月の日経新聞の「私の履歴書」は漫画家の一条ゆかりです。一条さんは高校時代は漫画を書き続け、卒業後、里中満智子のアシスタントとして入ったそうです。ユーキャンで『古事記』のDVDを観ると古代の漫画を多く描いている里中満智子さんが解説しています。読むのに苦労した山岸凉子の『日出処の天子』、大和和紀の『あさきゆめみし』(源氏物語)等々、歴史物、古代物が多く女流漫画家は侮れません。
『ベルサイユのばら』はフランス革命時代のパリが舞台です。マリー・アントワネット、オスカル、アンドレの物語です。日本では大河ドラマ『べらぼう』の時代にあたり、1775年あたりから始まります。江戸幕府で田沼意次が活躍した時代です。二三代さんは小学校の頃に、父親、姉と宝塚の舞台を見たことがあるそうです。
原作では全14巻の漫画を2時間弱で見せてくれます。まさに少女漫画の世界で、バラがたくさん舞っています。しかし、物語としてはシッカリしており、映画館で寝るのがお決まりとなっている私でも寝ずに、トイレにも行かずに見入ってしまいました。
事件の年月日を表示してくれているので、フランス革命の歴史の勉強にもなりました。パリのベルサイユ宮殿に観光で行ったことはありますが、改めてよく判りました。ビクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』もフランス革命時代の物語ですが、原作ではジャン・バルジャンの苦闘の生涯をこれでもかというくらいに描いています。ミュージカルのレミゼは革命が中心で「民衆の歌」はカラオケで時々歌わせてもらいます。
まさに宝塚歌劇団のためのようなお話しです。オスカルは女性ながら立派な軍人です。男として生きているオスカルに対し、男のアンドレは女性として見ていました。バスティーユ監獄のクライマックスまで一気に見せてくれます。エンドロールではその後、アントワネットが処刑されるまでの歴史が時系列で画面上に表示され、最後はたくさんの赤と白のバラで終わります。
映画が終わって横を見ると二三代さんが号泣しています。ほぼずっと泣いていたようです。「こんな話とは知らんやった」と言いながら、顔がすっぴんに戻っていました。