第132回 ここ最近の減価償却の改正

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

減価償却資産の償却限度額の計算方法は、平成19年4月1日以後取得分から、償却可能限度額(取得価額の95%相当額)、残存価額が廃止され、残存簿価1円まで償却できるようになりました。

また、新たな定率法が導入され、定額法の償却率の原則2.5倍に設定された定率法の償却率(250%定率法)が適用されるようになっています。

残存価額がなくなったことに伴い、定額法の減価償却費の計算方法は、取得価額×0.9×償却率から取得価額×償却率に変更になっています。

更に、平成24年4月1日取得分から、250%定率法から200%定率法に変更になっています。

耐用年数8年の場合、定額法の償却率は0.125です。旧定率法の償却率0.250に対し、250%定率法は定額法の償却率0.125×2.5=0.313となります。200%定率法は0.125×2=0.250です。耐用年数8年の場合は、旧定率法の償却率と、200%定率法の償却率はたまたま一致しています。

耐用年数が8年を超えると、償却率は200%定率法の方が、旧定率法よりも償却率が低くなります。「200%定率法」というと、なんだかお得のような気がしますが、旧定率法よりも償却率は低くなります。

ただし、耐用年数が8年よりも短い場合は、200%定率法の方が、償却率は高くなります。例えば耐用年数2年の場合、定額法の償却率0.5×2=1と、償却率は1となります。1ということは、全額償却です。ただし、使用期間により月数按分しなければなりません。使用期間1ヶ月であれば12分の1です。

平成28年度税制改正により、減価償却の方法が、建物附属設備、構築物については、平成28年4月1日以後の取得については、従来の定額法または定率法から、定額法のみとなっています。

最近は、会計ソフトで減価償却費を計算しますので、あまり計算方法を意識することはありませんが、改めての確認でした。

 

タイトルとURLをコピーしました