消費税の仕入税額控除 第197回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

2019年の10月から消費税率が10%にアップします。それに備えて、今回は消費税の仕入税額控除のおさらいをしておきましょう。

課税売上高が5,000万円以下の課税期間については、簡易課税を選択することができます。その場合は、業種によるみなし仕入率、例えばサービス業であれば課税売上の50%が控除されます。

原則課税については、消費税の仕入控除税額の計算方法は、課税売上高が5億円以下で、かつ課税売上割合が95%以上である場合は、課税仕入に係る消費税は全額控除できます。

一方、課税売上高が5億円超または課税売上割合が95%未満である場合には、課税仕入に係る消費税の控除は、課税売上に対応する分のみを控除します。

その際に、個別対応方式あるいは一括比例配分方式のどちらかを選択します。一括比例配分方式は2年間以上継続して適用されます。

まずは個別対応方式です。その課税期間中の課税仕入等消費税額を、

①課税売上にのみ要する課税仕入消費税

②非課税売上にのみ要する課税仕入消費税

③課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入消費税等

に区分し、仕入控除=①+③×課税売上割合の算式により計算します。

また、この課税売上割合については、課税売上の割合ではなく、従業員割合、床面積割合等で合理的な基準を用いることができます。その際には、「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を提出し、税務署長の承認が必要です。

次に一括比例配分方式は

仕入控除税額=課税仕入消費税額×課税売上割合

で計算します。この場合は、課税売上割合に準ずる割合は適用できません。

消費税率が10%にアップしたときの軽減税率等については、また後日とりあげたいと思います。

 

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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