消費税率10%導入による複数税率制度 下 第215回

消費税

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

令和元年10月1日から消費税10%導入に伴い、8%の軽減税率との複数税率制度となります。軽減税率の対象は、①飲食料品の譲渡、②新聞の定期購読契約に基づく譲渡、③飲食料品の輸入の三つです。

①について、食品の範囲は、食品表示法に規定する食品となっています。すなわち、人の飲用又は食用に供されるものとして販売されるものです。

軽減税率が適用されるか否かは、飲食料品を提供する時点で販売する事業者が判定することになります。すなわち、販売する事業者が、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した場合は、顧客がそれ以外の目的で購入しても、軽減税率の適用対象となります。

例えば、パンの耳を販売した際に、美術部の学生が消しゴム替わりに買っても、パン屋さんが食品として販売すれば8%ということになります。

酒税法に規定する酒類の譲渡は、軽減税率の対象にはなりません。酒税法における酒類は「アルコール分1度以上の飲料」ですので、ノンアルコールビールは酒類ではありません。

食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、その一の資産に係る価格のみが提示されている「一体資産」は、標準税率の10%が適用されます。例えば、洋菓子、紅茶とティーカップのセット商品などです。

飲食店業を営む者が、テーブル、椅子、カウンター等の設備のある場所において行う、いわゆる外食は軽減税率の対象とはなりません。例えば、屋台でテーブル、椅子、カウンター等がなければ、軽減税率となります。あまり、そんな屋台は見かけません。椅子のないホットドッグ屋さんなどでしょうか。

テイクアウト(持ち帰り)は軽減税率となります。例えば、ドライブスルーです。これらはほんの一例ですが、いろいろと事細かに規定されています。導入後、混乱しそうです。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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