ネット上で、賛否両論あり、観るのにちょっと躊躇しました。しかし、クリストファー・ノーラン監督作は、『ダークナイト』を始めとして『インセプション』『インターステラー』等、ほぼ観てきており、自分の目で確かめないことには何とも言えません。
意味不明とのレビューが多かったので、身構えてましたが、それ程でもありません。ノーラン監督は、これは王道のスパイ映画と言っています。監督自身が007の大ファンということで、ブルース・リー的には「考えるな! 感じろ!」です。
テーマの一つとして時間の逆行を描いています。なので、観たことがない映像が多々あります。時間の順行と、時間の逆行が交差して、1度観ただけで理解するのはほぼ不可能とも言えますが、スパイアクション映画として観ればゾクゾクものです。
ネットのレビューに、映画評論家町山智宏の『テネット』徹底解説を見て、よく判った、と書いてあったので、試しに見てみました。映画本編よりも長い約3時間!の解説です。無料ではなく1,500円で期間限定です。シニア料金1,200円よりも割高です。
散歩しながら、2回聴きました。時間が逆行するところをホワイトボードで詳しく解説しています。よくそこまで理解できるものだと感心しました。また、『時間衝突』(バリントン・ベイリー)、『終着の浜辺』(J・G・バラード)など元になった本を紹介しています。
映画の中で「What happened is what happend」(起こったことは起こったことだ)との言葉が何度も出てきます。また、ノーラン作品では「Leap of Faith」(信仰の飛躍)もテーマになっているそうです。
難しく考えることはいくらでもできそうですが、わたし的には、ヒロインのエリザベス・デビッキの美しさと男よりも高い背の高さに圧倒されました。