三菱UFJ銀行の元行員が貸金庫から顧客の時価2億円超相当の金塊を盗んだとして、東京都練馬区の今村由香理容疑者(46)が窃盗容疑で令和7年1月14日に逮捕されました。貸金庫の中身は原則、顧客しか知らないため、11月の問題公表から2カ月弱を要しています。
唖然とするような犯罪です。銀行内部での不正は表に出ないだけで相当数あるとは噂されますが、銀行側の不祥事にもなりますので、極力、外部には洩れてきません。中小企業でも、経理担当者に任せきりに2~3千万円の使い込みがあったことは、私は係わった会社でもありました。日本人の場合、恥の意識が大きいので、親などの親戚一同で返済するパターンが多いです。
今村容疑者は令和3年4月~6年10月、練馬支店と玉川支店の貸金庫から金品を繰り返し盗んだとされています。警視庁によると、被害総額は現金が10億円以上、金塊が時価7億円相当以上にのぼり、4年半、銀行側と顧客は今村容疑者による不正行為に気づかなかったというから驚きです。
早速、自分自身の貸金庫(地銀)を解約しに行きました。窓口に行って、解約したい旨を伝えると、「例の事件の影響ですか?」と尋ねられました。銀行の対応は早かったです。担当者が出てきて、書類にサインするとアッサリと解約できました。
金庫料は前払なので、本日中に口座に返金しますとのことです。中味を空にするに際して、銀行側で保管している鍵を持ってこられました。私の印鑑で封印しています。どうやって開けれたのか不思議なので伺うと、逮捕された行員は、封印を開けて違う印鑑を押して封印していたそうです。その地銀では内部監査の都度、印鑑が一致していることを確認し印が付されていました。できれば、監査というよりも、日常的に内部統制が機能するようになって欲しいところです。
更に驚いたのは、「週刊文春」では、容疑者は10年前に自己破産に準ずる小規模個人再生をしていたそうです。それも尋ねてみると、通常はその時点で、行員の資格はなくなるはずで、更新されてなかったのでしょうとのことでした。油断できない時代になりました。