第305回 手元にキャッシュを残す

キャッシュを残す経営

世界的な大恐慌に陥りそうな雰囲気になってきました。経済アナリストの藤原直哉さんはすで金融は崩壊しており、かつてない大恐慌に突入したと断言しています。それが実感として判るのは数年後かもしれません。

その時に、いかに手元に現金を持っているかが鍵となります。このブログ、HPでも「キャッシュ(現金)を残しましょう」と言っていますが、改めて確認しておきましょう。

少しでもキャッシュに余裕があると、何の思想、考えもなければ、銀行、証券会社に勧められるままに、投資信託、株式投資、不動産投資、保険にキャッシュを使ってしまいます。それではいくら稼いでもキャッシュは残りません。

私はお客様に投資、保険は一切勧めません。それでお金をなくす例をたくさん見てきました。投資信託などは、電話一本の連絡で半分の時価になったりします。ですから、基本、解約を勧めています。投資の実態があるのかも怪しいものです。そういう意味では、まだ株式の方がマシですが、素人に儲けさせてくれるほど、甘くはありません。

保険は、これも保険会社が勧めれるままに加入します。日本人ほど保険に加入している国はないとも言われます。「定期保険」の意味もよく理解していない人が多いことに驚きます。定期預金の「定期」とは意味が全く異なります。「定期保険」はある年令になったら返戻金はなくなる保険です。予想よりも長生きするようになり、設定年令(定期)を超えれば、保険会社が丸儲けするだけです。

キャッシュさえ手元にあれば、保険は必要ないので、本当の金持ちは保険には入りません。最近の相続で、保険には一切加入されていない方がおられ見事でした。保険はお金がない人のためのものです。

会社の場合、当たり前のことですが、利益を出さなければお金は貯まっていきません。利益がでれば税金を支払います。税金を支払わなければお金も増えません。少ない税金で大騒ぎする人ほど、ほぼ税金を支払ってきていません。それよりも税金のことは考えずに、稼げるだけ働くことが大事だと思います。あくまでも本業に特化してお金を増やしていきます。

投資・保険に手を出しても、それを本業にしている人のカモになるだけです。カモにならないように気をつけましょう。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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