第27回「貸倒は損金処理により税金部分だけでも回収しよう」

元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

中小企業金融円滑化法が平成25年3月で終了し、取引先が倒産したという連絡がポツポツと出てきました。

貸倒の金額は、10百万円単位、多額になると億の単位になることがあります。このような場合、経営者は寝込むくらいのショックを抱えることになります。

まして、仕入の支払は既に済んでいるときは、まるまる損失となってしまいます。例えば31,500千円貸倒の場合、消費税の1,500千円は消費税の還付として戻ってきます。
ただし、原則課税の場合のみです。

本体部分の30百万円を如何に回収するか?となりますが、

税金で取り戻すのが最も確実で手っ取り早い方法です。

税率分の40%程度しか戻ってきませんが、30百万円の40%でも12百万円は戻ってきます。

12百万円の現金を、倒産した先から、あるいは揉めている先から回収しようとしても、
ほとんど無理です。

弁護士に相談して、訴訟してみても、費用がかさみます。

税金で回収するといっても、利益を計上しない限りは回収できません。

納める税金を圧縮することによっての回収です。

そのため、本業でしっかりと利益を出すことが回収の近道となります。

投資で損失を被ったときでも同様です。

個人で投資をしていれば、事業所得、給与所得などと通算することはできませんが、
法人であれば、費用として計上して、欠損金で9年間繰り越せます。

経営者の方は、本業で稼ぐのはそれこそプロですので、上手です。
そこで貯まった資金を投資などに振り向けると、痛い目に遭います。

最近は、株の相場がよく、テレビでも株投資の特集などをしていますが、
これもいつか来た道で、そう遠くない将来に暴落しないとも限りません。

実体経済と乖離した相場となっています。

倒産が増加しているのが実情です。

経営者の方は本業に特化しましょう。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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