書評

書評

第391回 書評『あの世でも仲良う暮らそうや 104歳になる父がくれた人生のヒント』

映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』(2018年)で、娘の信友直子監督が両親をで撮り続けたビデオを編集したものです。陽気でしっかり者の母親がボケていき、それまで家庭の事は一切しなかった父良則さんが90才を超えてから、掃除、洗濯、料理...
書評

第390回 書評『明解!金融講義 世界インフレ時代のお金の常識・非常識』

元財務官僚の高橋洋一さんの著書です。第二次安部内閣ではアベノミクスによる大規模な金融緩和や機動的な財政出動の理論的支柱となっていました。その高橋さんによる金融本です。 新NISAに代表される政府お墨付きの「撒き餌」に釣られて、「私も投資しな...
書評

第377回 書評『働く幸せ 仕事でいちばん大切なこと』  

著者は日本理化学工業㈱の社長・会長を50年間歴任した大山泰弘さんです。日本理化学工業は1960年に初めて知的障害者を雇用して以来、一貫して障害者雇用を押し進めています。2018年には、85人の社員のうち63人が知的障害者が占め、製造ラインを...
書評

第374回 書評『暗殺』

1頁目に「この物語はフィクションである」とありますが、次の頁には、「時刻は2022年7月9日午前11時31分と記録されている。日本の元内閣総理大臣が奈良県の近鉄大和西大寺駅前の演説中に凶弾に倒れ、死亡した。享年六七だった」と安倍晋三元総理の...
書評

第372回 書評『熔ける 再び そして会社も失った』

『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』に続く続編です。前作は、シンガポール、マカオのバカラ賭博により、グループ会社から106億6千万円借り入れ、懲役4年の実刑判決を受けた大王製紙の元会長・社長の井川意高さんの懺悔録です。2013年10...
書評

第368回 書評『成瀬は天下を取りにいく』

今年2024年の本屋大賞の受賞作です。著者は宮島未奈さん。1983年生まれで大津市在住で京都大学卒です。年令以外は主人公の「成瀬あかり」と同じです。本屋大賞とは「「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2024年本屋大賞」の略です。今年...
書評

第367回 書評『福岡伸一、西田哲学を読む: 生命をめぐる思索の旅』

『生物と無生物のあいだ』で動的平衡を主張した福岡伸一さんが、西田研究の第一人者である池田善昭さんとの5回、15時間にわたる対談を中心に、2015年10月から2017年6月までに両者で取り交わされた500通以上の電子メール、対談のためのレジュ...
書評

第320回 書評『ふりさけ見れば 上・下』

日経新聞で2021年7月~2023年2月まで連載されたものです。日経では途中から読み始めていました。改めて上巻から読んでみて、下巻の半分以下しか読んでいないことが判りました。 歴史・時代小説ベスト1に選ばれた『白村江』(荒山徹)では、白村江...
書評

第318回 書評『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』

日本ボクシング史上最高傑作と称される「井上尚弥」。令和5年1月に、WBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界バンタム級王座の返上し、7月にWBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者のスティーブン・フルトンに、8回1分14秒TKO勝ちを収め...
書評

第314回 書評『極楽征夷大将軍』

2023年上半期の直木賞の受賞作です。最近の直木賞はレベルが高く、なかなか見逃せません。今村省吾、米澤穂信、佐藤究のように、受賞者が、その後、更に活躍しています。 著書は垣根涼介。長崎県出身で、1966年生まれです。応仁の乱を描いた『室町無...