第12回「頭かくして、尻かくさず」

頭かくして、尻かくさず

元気ですか~ 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

税金対策をせずに、ただ税金を支払いたくない一心で決算している会社の場合、
純資産(資産―負債)はほとんど貯まっていません。

利益を減らすことばかりを考え、会社にとって最も大きな経費は人件費ですので、
つい役員報酬をどんどん増やしていきます。

ところが、それをやり過ぎると、かえって支払う税金が増える結果と
なってしまいかねません。
何故かというと、、、、

確かに法人税は圧縮できても、その分所得税が増えるからです。

しかも、法人税は一定率で計算しますが、所得税は累進課税です。
所得が大きくなればなるほど、所得税率が高くなっていきます。

所得税の現在の最高税率は40%です。
所得金額18百万円を超えると、2,796千円の控除はありますが、40%の税率となります。

これに地方税率10%を加えれば、50%です。
半分は税金で納めることになります。

法人の場合でしたら、地方税も含めた実行税率は40%です。
10%も余計に税金を支払っていることになります。

最近は、無料相談を受け付けていますが、意外とこのような方が多いのには驚きます。

頭かくして尻かくさずです。

まして、法人税率は引き下げの傾向にあります。

3月決算の場合、平成25年3月期~27年3月期の実効税率(地方税含む)は38%となり、
平成28年3月期からは、復興特別法人税がなくなるため、35%となります。

中小法人(資本金1億円以下)の場合は所得8百万円までは現状の30%に対して18%と
なっていますので、さらに低い率となります。

これに対して、所得税率は最大税率の引き上げが予定されています。

税金対策は、法人税、所得税、更には相続税、贈与税、そして消費税も含めて
総合的に考えましょう。

今年最後のブログです。

来週、再来週はお休みさせて頂きます。

それでは、みなさん、よいお年をお迎えください!

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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