株の売買による所得・損失 第158回

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

確定申告シリーズの第3回は株の売買です。株を売却して利益がでれば譲渡所得となります。「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」に区分し、分離課税となります。給与所得、事業所得、不動産所得等の総合課税と分離されます。

税率は平成25年まで軽減措置として10%でしたが、現在は20%(所得税15%、住民税5%)に戻っています。上場株式、未公開株式ともに20%です。これに復興特別所得税(所得税×2.1%)が加算されます。

証券会社が取引を管理する「特定口座」で「源泉徴収あり」を選択している場合は、確定申告の必要はありません。非課税のNISA口座も同様に申告不要です。特定口座で「源泉徴収なし」を選択したとき、自分で取引を管理する一般口座の場合は、確定申告をしなければなりません。

「上場株式等に係る譲渡損失」がある場合は、確定申告により、その年分の「上場株式等に係る配当所得等の金額」と損益通算ができます。

ただし、「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」は、それぞれ別々の申告分離課税とされているため、次のことはできません。

①上場株式等に係る譲渡損失の金額を一般株式等に係る譲渡所得等の金額から控除する。

②一般株式等に係る譲渡損失の金額を上場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除する。

損益通算してもなお控除しきれない損失の金額については、翌年以後3年間に渡って、確定申告により上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得等の金額から繰越控除することができます。

配当所得を申告する場合、総合課税か、分離課税を選択できます。総合課税を選択すると配当控除が使えますので、総合課税を選択する方が有利となる場合が多いようです。2通り計算して選択します。申告後の変更はききませんので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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