青色申告特別控除の改正 第160回

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成30年2月28日の衆院本会議では,平成30年度予算案とともに,平成30年度税制改正を行う法律案が賛成多数により可決され,参院へ送付され、3月31日までの年度内に成立する見通しとなっています。

改正のうち、平成32年1月1日から、青色申告控除の65万円が55万円に減額されるというものがあります。

現状では、青色申告者は、10万円または65万円の青色申告特別控除額を控除することができます。

65万円控除の場合、不動産所得→事業所得の順に控除します。65万円の特別控除は、取引の内容を正規の簿記の原則に従って記帳し、その帳簿記録に基いて作成された貸借対照表を添付する場合に適用されます。

税務調査の経験上、たとえ正規の簿記の原則に従って記帳していても、貸借対照表の添付を失念すると65万円控除を適用させてもらえません。

10万円控除の場合は、不動産所得→事業所得→山林所得の順に控除します。

平成32年度から青色申告控除65万円が55万円減額となりますが、次の要件のいずれかを満たせば、控除額は65 万円のままとなります。

① 仕訳帳及び総勘定元帳について、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律に定めるところにより電磁的記録の備付け及び保存を行っていること。

② 所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、 その提出期限までにe-Taxを使用して行うこと。

e-Taxを使用すれば65万円のままということです。e-Taxは会計事務所にとっては、かなり便利です。お客様の印鑑を頂く手間(ご説明はもちろんしますが)、物理的に提出する手間がなくなりました。期限内であれば、何回も提出できるところも助かります。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

山崎 隆弘をフォローする
確定申告
シェアする
山崎 隆弘をフォローする
福岡市東区箱崎の公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所
タイトルとURLをコピーしました