第19回「青色申告の65万円控除はどうやって使う?」

元気ですか! 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

所得税の確定申告は、今週の金曜日の15日が提出期限ですので、
最終コーナーにさしかかったところです。

青色申告者に対しては種々の特典がありますが、その一つに所得金額から最高65万円又は10万円を控除するという青色申告特別控除があります。

お客様に確定申告の結果をご説明する際に、以外と効果が大きいと実感します。

なんといっても10万円控除ではなく、

65万円控除を使いたいものです。

65万円の控除が受けられるための要件は、次のようになっています。

  1. 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
  2. これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
  3. 2の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。

このうち、複式簿記による記帳が、会計の知識がないと難しいように感じますが、いまはパソコン会計が優れています。

たとえ借方、貸方が判らなくても、現金出納帳、預金出納帳を記帳するイメージで、あとは勝手に会計ソフトが複式簿記にしてくれます。

65万円控除を受けるためには、
貸借対照表を添付しておかなければなりません。

複式簿記で記帳すれば、結果として貸借対照表が出来上がります。

この添付を忘れると、いままで65万円控除を受けていても、失念した年は65万円控除を受けれないので注意が必要です。

また、不動産所得の場合は、65万円控除ができる事業的規模として、次の基準を設けています。

  1. 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。
  2. 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

 

この「おおむね」というのが曲者ですね。

税務署としてもハッキリとした基準を打ち出していないので、ケース・バイ・ケースで判断することになります。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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