第17回「離婚の慰謝料に税金はかかる?」

元気ですか!
福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。

確定申告もいよいよ佳境に入ってきました。
来週から還付ではない確定申告の提出ができます。

無料税務相談でも、確定申告に関することが多くなってきました。
その中で離婚した場合の慰謝料について、お問合せがありました。

慰謝料については、受け取った側は贈与税も、所得税も課税されません。
慰謝料は心身に加えられた損害に対する賠償金であるためです。

夫婦が離婚したとき、相手方の請求に基づいて一方の人が相手方に財産を渡すことを
財産分与といい、財産分与が土地や建物などで行われたときは、
原則として、分与した人(夫から妻に分与する場合は夫側)に譲渡所得の課税が
行われることになるので、注意が必要です。

分与した時の土地や建物などの時価が譲渡所得の収入金額となり、
当初の取得価額との差額が譲渡所得と見なされます。

一方、分与を受けた人(妻側)は、分与を受けた日にその時の時価で土地や建物を取得したことになります。

時価が20百万円のマンションを財産分与した場合、長期譲渡(5年を超える所有)であれば、
20%相当の4百万円の税金を支払わなければならなくなっていまいます。

しかし、マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から
最高3,000万円まで控除ができる特例があります。

この適用を受けるためには、売手と買手の関係が、
親子や夫婦など特別な間柄でないことが条件となります。

そのためには、離婚が成立した後に、譲渡手続をする必要があります。
譲渡した後に、離婚をすると30百万円控除が使えません。

また、婚姻期間が20年以上の夫婦の場合は、逆に離婚前に居住用不動産を贈与すれば、
配偶者控除の20百万円が適用され、暦年贈与の基礎控除110万円とあわせて、
2,110万円まで非課税となります。
いずれにしても、慎重に手続しましょう。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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福岡市東区箱崎の公認会計士・税理士 山崎隆弘事務所

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1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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