連結納税の事例 第190回 

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

連結納税は企業グループを一体とみなして法人税を計算するものです。制度としては平成15年3月期から導入されていますが、その翌年から、事務所としては利用しています。4つの連結グループに係わってきましたが、現在は2つの連結グループの連結申告を行っています。

当初はパソコンの表計算ソフトで計算していましたが、毎年の税制改正により申告書が変わりますので、今では専用の連結納税ソフトを使用しています。

制度を使えばグループ内の利益から損失を差し引いて課税所得を圧縮できます。なので、子会社に赤字を計上しているような会社がある場合は税金の圧縮に役立ちます。土地の売却等により、臨時の巨額の損失を計上した場合にも、連結納税グループ全体の税金が減ります。

しかし、あくまでも法人税のみが連結納税になるだけで、市民税、県民税などの地方税は単体での計算です。消費税についても、単体で計算し、納税します。

そのため、税務上の繰越欠損金は、法人税の連結欠損金、法人税の連結個別帰属額、各社の事業税の繰越欠損金、各社の地方税の控除対象個別帰属額と4通りあります。

資本金1億円以下の中小会社の場合、課税所得が800万円以下までは実効税率が10%下がります。連結納税にすると連結グループ全体の課税所得で適用されますので、会社の状況を見極めて導入を検討する必要があります。

子会社間での取引が多い場合で、全体ではほぼトントンの利益でも、たまたま1社のみ利益がよく出る場合があります。連結納税をしていれば、子会社間の取引は連結の課税所得とは関係ありませんので、余計なことを考えなくてすみます。このような場合は連結納税をオススメしています。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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