建設業における物件別管理の事例 第193回

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

建設業は、ここ最近好景気ですが、原価管理をしていないと、赤字工事をうっかり受注したりしますので要注意です。

建設業でよく聞く話はここの現場では赤字でも次の現場で面倒をみてもらえるという説明です。だんだんと従来の習慣が通用しなくなってきていますので、今後は、次の現場でということは、なかなか難しくなってきています。

いずれにしても、建設業では現場ごとの原価を把握して管理していかなければなりません。決算時に未成工事支出金を計上する際にでも、現場ごとの人件費を把握する必要があります。

その前提となるのが工事日報です。誰がどの現場に何時間行ったのかを把握しないと、原価管理はできません。以前は手書きの工事日報を書いて、それを入力担当者が入力して、更にそれを集計する手間が要りました。

今は、1人1台のパソコンも当たり前になってきましたので、それぞれ自分の作業時間を入力して、それが自動的に集計されるのが理想です。

うちの事務所は建設業ではありませんが、労働集約型の仕事なので、毎日「執務報告」を入力しています。それがそのまま時間給、残業代の計算につながります。そのデータを活用すれば、原価管理ができます。

人件費を現場ごとに把握し原価管理をすれば、赤字の現場は受注しないようになり、また少しで利益が残るように行動するようになります。

製造原価には材料費、現場経費などありますが、何といっても人件費が最大の経費です。会社によっては外注費の占める割合が多いところもありますが、管理可能な費用は、まずは自社の人件費です。

それは事務作業にもいえます。特に事務作業は目に見えないだけに、ほっておくと膨れ上がる傾向にあります。対応する売上もないだけに目立ちませんが、うっかりすると固定費が膨らんいきます。

利益を計上している会社は、総務・経理のバックヤードを少ない人員で回しています。個人の生活を振り返っても、時間に追われて、工夫して時間を捻出するくらいがちょうどいいのかもしれません。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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