『炎上する世界経済』 第152回 

明けましておめでとうございます。本年も、よろしくお願いいたします。

正月休みに鈴木啓功著『炎上する世界経済 日本人だけが知らない国際金融の残酷な現実』(イースト・プレス刊)を読みました。

冒頭に4つの大胆な近未来予測を提示しています。

  • トランプ大統領が暗殺されて米国は大分裂を開始する。
  • 現代世界資本主義経済体制は大崩壊する。
  • 現代世界(アジア世界+欧州世界+中東世界)は破壊される。
  • 第三次世界大戦が勃発する。

いずれも当たって欲しくない予測ばかりです。そして2020年の東京五輪は開催されるはずがないと断言しています。

これらの予測を、歴史から紐解いて、ここ最近の出来事を積み上げて、論証していきます。

そのベースとなるものが、著者が構築したという「超サイクル理論」です。「超サイクル理論」とは、世界の歴史は「大構築」(90年)と「大逆転」(90年)を繰り返しながら「180年サイクルでぐるぐる回っている」というものです。

大構築の時代は、社会30年、経済30年、政治30年の順に上昇していき、大逆転の時代は政治30年、経済30年、社会30年の順に下降していきます。

世界も日本も、同様に動いており、日本の場合は、明治維新から1950年代までの90年間が大構築の時代に当たり、1960年で転換し、1990年のバブル崩壊から経済の下降が始まり2020年まで続き、結果として失われた30年となると予測し、2050年までの30年が社会下降の時代となります。

著者は、いたずらに不安を煽るのではなく、2050年に至る歴史情勢を明確に踏まえた上で、一人ひとり『今後の生き方』を大きく考えてみて欲しいと、警鐘します。

1960年といえば、私が生まれた年です。まさに大転換の切り替えの年だったことになります。大転換と言っても、既得勢力には不都合ですが、新勢力にとってはチャンスが広がる時代としています。

著者の覚悟が伝わってくる本です。

 

 

 

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