令和2年税制改正① マンションの消費税還付の廃止 第227回

消費税

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

令和2年税制大綱において、ひっそりとですが衝撃的な改正が盛り込まれていました。税制大綱には「居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度の適正化」として載っています。

税制大綱の68頁に「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産に該当するもの課税仕入については、仕入税額控除制度の適用を認めないこととする。ただし、 居住用賃貸建物(マンション)のうち、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分については、引き続き仕入税額控除制度の対象とする」と、消費税の「その他」のところに載っています。

一見、何のことかわからないかもしれませんが、これは節税スキームを禁止した改正です。

マンションの貸付けの取得に係る仕入税額については、住宅家賃(非課税売上)に対応するものとして、本来仕入税額控除の対象となるべきものではないけれども、仕入税額控除を行う事例が散見されるとして、令和2年10月1日以後に行うマンションの仕入について、仕入税額控除制度の適用を認められません。要は、還付されません。

ただし、令和2年3月末までの契約に基づき取得したマンションについては、同年 10 月1日以後にマンションの仕入を行った場合には、適用しないとしています。還付されるということです。

一定の経過措置が設けられています。仕入税額控除制度の適用が認められないこととされたマンションについて、3年以内に住宅の貸付け以外の貸付けの用に供した場合又は譲渡した場合には、調整するとなっています。

いずれにしても、マンション(居住用賃貸建物)による消費税還付のスキームを禁じられたということです。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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