消費税率10%導入による複数税率制度 中 第214回

消費税

元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

前回は、令和5年9月30日までの制度の説明でした。4年後の令和5年10月1日からは「適格請求書等保存方式」(日本型インボイス方式)に移行します。

従来の「請求書保存方式」及び令和元年10月からの「区分記載請求書等保存方式」との違いは、免税事業者からの仕入について仕入税額控除が認められるかどうかという点です。

現在は、免税事業者からの仕入如何にかかわらず、取引そのもので課税、非課税、不課税を判定します。「適格請求書等保存方式」において適格請求書を交付することができるのは、国税庁に登録をした適格請求書発行事業者のみとなります。

その登録は、課税事業者でなければできません。経過措置として、「区分記載請求書等保存方式」の保存を要件として免税事業者等からの課税仕入について、「適格請求書等保存方式」の導入から3年間は80%、その後の3年間は50%の割合で、仕入税額控除の計算の基礎に算入することできます。

いずれにしても、導入後6年後からは免税事業者等からの仕入については仮払消費税が計上されません。その分、消費税の負担が重くなります。いわゆる免税事業者にとって益税がなくなることになります。

また、10%税率が施行される令和元年10月1日前後の適用関係について、確認しておきましょう。原則は、新消費税法の規定は、施行日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡に係る消費税について適用されます。

適用する税率は、譲渡する目的物を引き渡した日の税率となります。9月末日までに商品を引き渡していれば、代金入金が10月以降であっても税率8%が適用されます。

また、9月末日までに代金を回収していても、10月1日以後に商品を引き渡した場合は、税率10%の適用となります。

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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