第138回 課税売上割合に準ずる割合

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

課税期間における課税売上高が5億円を超え、または課税売上割合が100分の95に満たないことにより、個別対応方式によって計算する場合、課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れ等に係る消費税については、原則、課税売上割合により計算します。

しかし、課税売上割合により計算した仕入控除税額がその事業者の事業を反映していない場合には、課税売上割合に代えて課税売上割合に準ずる割合によって仕入控除税額を計算することができます。

そのためには、「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を提出して、課税期間の末日までに税務署長の承認を受ける必要があります。税務署長の承認を受けた日の属する課税期間から適用することができます。承認審査には一定の期間を要するため、時間的余裕を持って申請書を提出しなければなりません。期末日ギリギリだと承認が間に合わないかもしれません。

特に、土地の譲渡があった場合、土地取引は非課税取引なので、課税売上割合が大幅に変わることがあります。課税売上割合を適用して仕入に係る消費税額を計算すると事業の実態を反映しないことがあり、上記の届出により課税売上割合に準ずる割合を適用することができます。

国税庁HPの質疑応答事例「たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認」によれば、土地の譲渡が単発のものであり、かつ当該土地の譲渡がなかった際には事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、課税売上割合に準ずる割合の承認を与えることとして差し支えないとしています。

その際に用いる課税売上割合は、前3年の課税期間の通算課税売上割合または前課税期間の課税売上割合のいづれか低い割合となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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