インボイス制度の登録申請が始まります 第263回

消費税

消費税のインボイス制度における適格請求書発行事業者の登録申請の受付が、令和3年10月1日から始まります。消費税が10%に改正になった際にインボイス制度が令和5年10月1日から開始されることが決まりました。10%の増税もさることながら、こちらのインボイス制度は改正の本丸と思えるほど、影響が大きいと思います。2300億円の税収増加が見込まれています。

従来は、消費税は課税事業者であろうが、免税事業者であろうが、消費税課税取引に該当すれば、先方に請求できていました。売上高が1千万円以下であれば、消費税免税事業者となります。お客様には消費税を請求できて、消費税は免税ですので、いわゆる益税となっていました。実際に、売上高が1,000万円を超えないようにしている中小企業、個人事業主が多くおられます。

しかし、インボイス制度に移行すると、所轄税務署に申請して適格請求書発行事業者として登録番号を入手しないと、先方に消費税を請求できません。買い手側も登録事業者からの仕入でなければ仕入税額控除できません。請求書に登録番号がなければなりません。発注している側からすると、仕入税額控除ができないのならば、取引を見直すことは十分に考えられます。

そのため、たとえ売上高が1,000万円以下であっても、今後は免税事業者ではなく、「課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となる可能性が高いと思います。結果、益税が相当減少するのではと思います。実際の運用は令和5年10月1日ですから、まだ2年の猶予がありますが、いよいよその登録申請の受付が今年の10月1日からスタートです。請求書の様式を変更しないといけないので、自社システムの請求書を発行している大手企業等は既に準備済みのようです。

登録申請書はe-Taxを利用して提出することができます。事務所ではお客様の電子申請を、今年の10月1日から順次行っていく予定です。

※動画でも解説しています

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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