元気ですか~ 福岡の公認会計士、税理士の山崎隆弘です。
12月16日の衆議院選挙に向けて、12月4日に公示されました。
今回の争点は原発・消費税・TPPでしょう。
消費税は10%に上がるものと思っている人が多いですが、今回の選挙の結果で白紙になる可能性もあります。
消費税の歪な構造を見てみたいと思います。
経団連に参加しているような大企業はトヨタに代表されるように、輸出会社が多くあります。
このような輸出会社の場合、消費税は還付される仕組みになっています。
前々回でも書きましたが、基本的に消費税納税額が、
売上に係わる仮払消費税から仕入れに係わる仮払消費税を差し引いた金額です。
まず、輸出取引自体は国内で行われますので、国内取引です。
さらに非課税の取引に列挙されていませんので、消費税法上は課税売上になります。
しかし、消費税法7条に、「本邦から輸出として行われる資産の譲渡又は貸付については、
消費税を免除する」という規定があり、消費税が免除されています。
これが「輸出免税」といわれる規定です。
原材料等は、国内の下請け業者等から仕入れますので、
売上には仮受消費税がなく、仕入の仮払消費税のみが残ります。
この分が還付になる仕組みです。
関東学院大学法科大学院教授である湖東京至氏作成の資料によると、
2,003年分の輸出上位10社の還付税額は6,842億円にもなります。
トヨタが1位で1,710億円の還付金です。
中小企業にとっては気の遠くなる金額です。
経団連が消費税増税に賛成するのも、ある意味当たり前ともいえます。
一方、中小企業は、諸費税率がアップになっても、
なかなかお客さんに価格転嫁できないという実情があります。
消費税は転嫁の実態からいって経済的弱者から強者への所得移転を促す
大企業優遇の税制といえます。