相続税対策は、贈与税、所得税、法人税、消費税を総合的に勘案しましょう 第253回

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確定申告シーズンは、お客様以外からも何かと問合せがあります。昨年までは税務署と間違えての電話が多かったのですが、今年は意外と相続税の問合せが何件かありました。こちらのブログでも時々相続対策について書いているように、相続税にも対応しています。

相続税を考えなければ、会社の事業承継、個人財産の維持も難しくなります。うちの事務所の方針は、所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税を総合的に勘案して、税金対策をすることです。法人税だけを見ていて、所得税、相続税を考えていないと片手落ちになってしまいます。

相続税を対策するに当たって、先ず考えることは、納税資金はあるか?ということです。例えば金融資産が3億円あって相続税が1億円だとしても、相続した金融資産で支払うことができます。これが相続財産が土地のみの場合、納税資金がなければ物納になってしまいます。土地の物納の場合、いい物件から物納となってしまいますので、この物納だけは避けたいところです。

相続対策として、事業承継税制、相続時精算課税制度など新しい制度もありますが、新しい税制には落とし穴があります。事業承継税制は何社か検討しましたが、結局リスクが高いので、暦年贈与で対策を取ることにしました。

最も効果的な相続対策は、何年もかけて実行する暦年贈与です。1年ごとに贈与していくのが暦年贈与です。基礎控除額110万円を差し引いて税率を掛けます。贈与金額が310万円までは税率10%です。例えば120万円贈与して110万円を差し引いた10万円の10%の1万円を納付すれば、税務的には確定します。贈与契約書を作成し、贈与先の預金口座が名義預金ではなく、実質的に本人の口座への入金が必要です。

暦年贈与は、金融機関にとって何のメリットもありませんので、銀行・証券会社などの金融機関から紹介されることは基本的にありません。

※投稿時の法制度を基に記載しております。詳しい内容については当方にご相談ください。

→福岡市中央区天神の公認会計士・税理士山崎隆弘のホームページはこちら

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