認定医療法人への移行(上) 第211回

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元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成18年の医療法の改正により、持分のある医療法人の新設が廃止されました。それ以前に設立された既存の持分のある医療法人は、当分の間、持分を定めた定款の継続が認められています。

持分のある医療法人の場合、出資額に応じて払戻しを請求できるとされており、設立したときには少額でも、医療法人には配当がありませんので、価値がドンドン膨らんでいく可能性があります。

ある日突然、出資額に応じた請求をされれば、出資は数百万円でも1億円を超える払戻金を支払わなければならなくなります。平成6年の八王子裁判では、設立時には50万円だったものが、評価が5億円を超え、請求された事例があります。そうなると医療法人の財務の健全性、継続性が脅かされますので、既存の持分のある医療法人も持分のない医療法人(認定医療法人)への移行が必要となってきます。

実務上は、相続税の対策をする上で、持分がなければ課税されないメリットがあります。

平成26年10月から平成29年9月の間に、旧認定医療法人制度がありました。ただし、この時は、医療法人側に課税されることになり、あまり利用されませんでした。

現在は、平成29年10月~平成32年9月までの限定で、新しい認定医療法人制度が運用されています。

持分なしの医療法人に移行する場合に、持分がハッキリと判っていなければなりません。医療法人の法人税申告書の別表2がない法人もあります。また、別表2があっても、内部資料なので出資金額を証明する書類にならないとも言われます。

持分のある医療法人であれば、都道府県に提出した「医療法人設立認可申請書」のなかに「出資申込書」があります。これには出資者ごとの出資額を記載することとなっており、この「出資申込書」で確認できます。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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