営業権償却 第150回 

元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

平成29年度税制改正により、平成29年4月1日以後、M&A等により取得した営業権の償却方法が変更になっています。

従来は、営業権の耐用年数は5年で、年額の5分の1償却となっていました。それが月割償却となっています。そのため、期中で取得した場合は、従来は1年分償却していたものが月割償却になります。

ところで、営業権とは何でしょうか? 営業権とは、法律的な権利関係を基礎とする営業権(代理店契約、ライセンス契約)や超過収益力を背景とする営業権、そして「のれん」などです。

ここで「のれん」とは、「企業結合に関する会計基準」では「取得原価が、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回る場合には、その超過額は「のれん」として会計処理し、下回る場合には、その不足額は負の「のれん」として取得原価と買収企業の純資産価額との差額になります。

会計上、「のれん」は無形固定資産に計上されます。負の「のれん」は、生じた年に「負ののれん発生利益」として特別利益に計上されます。「のれん」は計上後、20年以内のその効果の及び期間にわたって定額法などの合理的な方法によって償却します。

税務上、「のれん」は、非適格合併等における合併等対価の額と、移転を受けた資産および負債の時価純資産価額との差額を資産(負債)調整勘定とします。資産調整勘定(のれん)は、5年間で償却(損金算入)し、負債調整勘定についても5年間で償却(益金参入)します。

この償却について、税務上は、年間償却から月割償却に改正されています。

少しややこしくなりましたが、「のれん」は営業権に含まれます。

 

 

 

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