第72回「平成28年度税制改正 法人税」

IMG_3530 元気ですか! 福岡の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

 今回は、平成28年税制改正のうち法人税関係です。法人税改正の大きな目玉は実行税率の引き下げです。それにつきましては、49日のブログに書きましたので、今週はそれ以外の法人税改正についてです。

 中小企業で直接関係してくるのは、建物附属設備・構築物の減価償却方法が、平成2841日以後取得分から定額法に一本化されることでしょう。建物については、すでに平成1041日取得分から定額法になっていました。これに加え、建物附属設備・構築物も定額法となります。

 どのような影響があるかとなると、定額法ですので、毎期均等の減価償却費となります。定率法のように早期に償却が進むということはありません。耐用年数省令では附属設備は主に15年となっています。15年のなかで、定率法と定額法の比較であれば、それほど影響はないのではと思います。建物ほどの影響はありません。

 最近は、太陽光設備などの即時償却が魅力的に見えることもあります。しかし、単に先に償却してしまって、2年目からは償却額がないということです。償却額自体に増減はありませんので、それほど飛びつくものでもないような気がします。かえって、即時償却したため、多額の損失が一度に計上され、全ては使用できずに、繰越欠損金が流れるということも考えられます。

 その繰越欠損金について、平成3041日以降開始事業年度からは、繰越期限が現状の9年から10年に更に延長されます。いくら延長されても、利益を計上しない限りは繰越欠損金は減らないことに留意しましょう。

この記事を書いた人
山崎 隆弘

山崎隆弘事務所所長
公認会計士・税理士

1960年福岡県生まれ。福岡市在住。29歳で公認会計士試験に合格。以来、中央青山監査法人(当時)で10年間勤務。会計監査、システム監査、デューデリジェンスに従事し、上場企業などの主査を務めるが、39歳のときに胆管結石による急性胆管炎を発症する。結石の除去に入退院を繰り返し、監査法人を退職。

1年間の休養後、41歳で父親の会計事務所に入所。44歳のときに同事務所を引き継ぎ、公認会計士事務所を開設。同時に妻二三代が入所。「ビジネスと人生を楽しくする会計事務所」がモットー。家族で踊る「会計体操」は、NHK・フジテレビ・KBC・RKB・読売新聞・西日本新聞など多数のメディアで取り上げられる。

著書に『年収と仕事の効率を劇的に上げる 逆算力養成講座』『なぜ、できる社長は損益計算書を信じないのか』。

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