元気ですか! 福岡市天神の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。
前回まで業承継税制の特例についての特集でした。今回から、それ以外の平成30年度税制改正についてです。まずは個人所得課税です。
配偶者控除は世帯主の所得に応じて逓減していく改正となっています。平成30年度から適用されます。これについては第154回で取り上げていますので、ご参照ください。
他には、給与所得控除及び公的年金等控除の控除額を一律10万円引き下げ、どのような所得にでも適用される基礎控除の控除額を10万円引き上げることとなっています。
給与所得と年金所得の双方を有する方については、どちらかの控除のみが減額されます。働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする等の観点からの改正ということですが、そもそも年金所得の方は通常は働いていないのではと思います。
また、給与所得控除については、諸外国の水準と比べても過大となっていることから漸次適正化するとしています。現状では、給与収入が1,000万円超の場合には220万円の給与所得控除が限度となっています。
改正では、23歳未満の扶養親族を有する者等の子育て世代は負担増減なしとなっています。子育て世代等以外の場合は、給与収入が850万円を超えてから、1,000万円まで徐々に負担が増える仕組みになっています。控除の上限は195万円に減ります。
公的年金等控除については、控除額に上限がなく、手厚い仕組みになっているとの理由から、公的年金等収入が1,000万円を超える場合の控除額に195.5万円の上限を設けるようになります。
これらの改正は、2020年分以後の所得税について適用ですので、平成ではなく新しい元号になってからの適用です。2年後からの適用ですが、このように所得税は重税傾向です。