第108回 消費税の簡易課税制度の改正

元気ですか! 福岡市の公認会計士・税理士の山崎隆弘です。

消費税の納付税額は、原則として課税売上げ等に係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を差し引いて計算します。

しかし、課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している場合は、課税売上高から納税額を計算できる簡易課税制度の適用を受けることができます。

仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。この一定割合をみなし仕入率といい、事業の種類ごとにみなし仕入率が異なります。売上を卸売業、小売業、製造業等、サービス業等、不動産業及びその他の事業の6つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。

平成2741日以後に開始する課税期間から、簡易課税制度のみなし仕入れ率について、従来の第四種事業のうち、金融業及び保険業を第五種事業とし、そのみなし仕入率を50%(従前60%)に、従来の第五種事業のうち、不動産業を第六種事業とし、そのみなし仕入率を40%(従前50%)に改正されています。

個人事業主では、特に不動産業は珍しくありません。みなし仕入率が50%から40%に変更になったということは、控除額が減ったということですから、納税額を増える結果となります。

また、2種類以上の事業を営む事業者で、1種類の事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%以上を占める場合には、その事業のみなし仕入率を全体の課税売上げに対して適用することができます。卸売業、小売業の場合は、みなし仕入率が90%、80%ですので、これらの事業が75%以上であれば少ない消費税額になります。

逆に、不動産業が75%以上であれば多めの消費税となってしまいます。売上高が5,000万円以下の場合、原則と簡易とどちらが有利か、翌期が始まるまえに、よく検討しましょう。

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